波浪計の限界を補う、理想的で実用的なリアルタイム波浪予測。

リアルタイム波浪予測という考え方

リアルタイム波浪予測とは、波浪の現況を波浪計による観測値で把握するのではなく、推算により現況を把握するというものです。そうすることにより、波浪計の設置点に限らずあらゆる地点、あるいは平面的に波浪の現況を把握することが可能になります。さらに、波浪計による観測で起こる欠損リスク無しに現況を把握することができるようになります。

当社のリアルタイム波浪予測とは

リアルタイム波浪予測に求められることは、予測精度が高いこと、予測にかかるリードタイムが短いこと、予測値が最新の波浪実況解析値(初期値)を基に最新の風情報により修正されて更新され続けることです。

従来の「リアルタイム波浪予測」と呼ばれている技術は、観測と予測のシステムが別個になっているため、過去のある時刻に出された予測値が最新の観測値で自動的に補正されるような連携は図られていません。そのうえ、予測のリードタイムが長く、波浪予測情報は1日に2回しか更新されず、真のリアルタイム予報ではありませんでした。

当社のリアルタイム波浪予測は、当社独自のノウハウによりこれらの問題を解決して、理想的なリアルタイム波浪予測を行えるようにしただけでなく、運用面やユーザの利用面まで考慮した、より実用的なリアルタイム波浪予測を実現させたシステムです。

実用的なリアルタイム波浪予測

当システムが実現させた“実用的なリアルタイム波浪予測”とは、以下のとおりです。

  1. 風と波の最新実況解析値で予測値を毎時間修正し、高精度、高信頼度を保つ
  2. リードタイムの短縮で、波浪計による観測値よりも現況を早く把握できる
  3. 波浪計が不要なため、提供地点に制限がない
  4. 観測データを基に予測された結果と同程度の精度がある
  5. 安いランニングコストで運用できる
  6. 波浪計の破損や不具合による情報欠損リスクを回避できる
  7. 画像表示を速やかに行える

リアルタイム波浪予測で、任意の地点の現況を把握

気象庁が設置する波浪計は全国12か所、国内最大の波浪観測網であるナウファスは52か所と、波浪観測データによる現況把握には限りがあります。当社のリアルタイム波浪予測は、日本近海のあらゆる地点の波浪をリアルタイムに予測し、波浪計のない地点の現況も把握できます。

現況を基に修正した波浪予測を毎時間更新

独自のノウハウで推算された波浪の実況解析値を基に、最新の風情報により数時間先の波浪予測を毎時間更新することで、信頼度の高い波浪予測の提供を実現しました。

高精度な波浪予測データを安価で提供

波や風を観測する機器を不要とするため、観測器とその運用に関する費用がかかりません。また、GUIオープンソースライセンス下でのOSやソフトウェアを使用し、なおかつクラスターコンピュータを用いることで、ユーザに安価で提供することを実現しています。

予測データを画像ファイルでも提供可能

一般ユーザが情報を簡単に理解できる画像表示を行えるように、短時間で画像化して配信できる書式にデータを変換してあります。これにより一般ユーザが主体的に情報を判断し、災害防止やマリンレジャーに役立てることを目指しています。

画像化したリアルタイム波浪予測データを使用している例が、当社が運営する個人向け気象情報サービス『マリンウェザー海快晴』です。

波浪計よりも安定した情報提供が可能

波浪計は、風浪による故障、通信機器の不具合、老朽化などで配信停止の事態が起こることがあり、復旧には数カ月から数年かかる例がめずらしくありません。実際に、国内最大の波浪観測網(ナウファス)でさえも、常に数か所から十数か所の波浪データの配信が止まっているのが現状です。しかも故障や不具合の多くは、波浪情報が特に必要な時化(しけ)のときに起きています。

一方、当社のリアルタイム波浪予測は、インターネット回線が長時間断線するというほとんど起きることのない事態が起きない限り、情報配信が何日も停止することはありません。プログラムの破損やサーバの故障が起きたとしても、バックアップで速やかに復旧させることができます。